2015/10/01

1,495-「砂に穴を開けて生活する」タコ Octopus makes its own quicksand then vanishes inside

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素晴らしい建築士でもあるこのタコは、煙突がある新居をそのジェット噴射で作り上げる。砂の中に作られる穴は20センチ程の深さがあり、日中はその居住空間で息を潜めるのだという。夜になると彼らはその穴から出て、餌である小さな甲殻類を探して海を漂うのだ。

 以前からサザン・サンド・オクトパスにはこういった特異な能力がある事は分かっていたが、彼らのこういった行動が映像として残るのは今回が初めてである。

「砂に穴を開けて生活する」タコは無数に存在するが、こういった種は主に自らの足を使って穴を掘っていく。しかし彼らの作る穴には総じて海の水を循環させるように取り入れる為の穴が存在しない為、ノズルを常に穴から海面に突き出した状態でなければ生活する事が出来ない。

 その点サザン・サンド・オクトパスは水のジェット噴射と穴の形を固定化する粘膜を放出する新たなテクニックを持っている為、こういった問題が存在しない。「頭足類でこういった穴を作るのは今の所この種だけでしょう」と、メルボルン大学のジャスパー・モンタナ氏は語る。

 モンタナ氏によるとジェット噴射時に足を入れていく事で、より少ない抵抗で埋もれる事が出来る為、エネルギーの消費が他のタコよりも少ないのではないかと予想している。

 また、この能力は天敵から身を守るために習得した可能性もあるという。他のタコと比べるとサザン・サンド・オクトパスは擬態能力が無い為、海底に潜り、身を潜めなければ生きていけなかったのだ。

 また、研究チームは甲殻類の住んでいた穴にサザン・サンド・オクトパスがジェット噴射をして潜っていく姿も記録しており、この能力は捕食にも使用されているかもしれないそうだ。